神経発達障害(神経発達症)と漢方治療

神経発達障害とは,成長の過程で次第に明らかとなる行動やコミュニケーションの障害です。

自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)
注 意 欠 如・ 多 動 症(attention–deficit/hyperactivity disorder: ADHD)
学習障害
トゥレット障害(多発性チック症状を伴い強迫性障害を高率に発症する)
選択性緘黙症(言語能力には異常がないのに学校など特定の場面では話すことができない)
発達性協調運動障害(手足のバ ランスをとった動きが苦手で不器用なことで知られる)

などの分類があり、これらが合併することもあります。

神経発達障害は何らかの脳機能障害によるものですが、原因は明らかになっていません。
遺伝的な要素と環境的な要素があるようです。
診断については小児精神科などで行います。
お子さんについて心配があれば、区役所のこども家庭支援課や児童相談所、療育センターなどにご相談ください。

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さて、神経発達障害のお子さんに対する漢方治療ですが、
漢方薬で脳機能障害そのものが治るわけではありません。
しかし、発達障害の方はそれぞれの脳の特性によって社会生活に適応しづらい面があり、
そのためにストレスを抱えているものと思われます。
そのストレスのために生じている体の症状を漢方薬で改善することができます。

例えば
・睡眠障害(寝つきが悪い、夜間に起きるなど)
・かんしゃくやパニック
を改善できる可能性があります。

治療には「柴胡剤」という系統の漢方薬を使うことが多いです。
西洋薬との併用は可能です。主治医の先生の了解を得てから漢方外来を受診してください。

カテゴリ:診療案内

公開日:2020年3月1日