カテゴリ: 「こころのお知らせけいじばん」

こころのお知らせけいじばん「統合失調症」

 統合失調症は、およそ100人に1人と言われる病気です。100人に1人というのは、いろいろな病気の中でもかなり多い方に入ります。
 15歳以下で発症することも、珍しくありません。

 原因は、生物学的な素因から環境・ストレスまで、さまざまな要素が合わさっていると言われています。
 一卵性双生児でも発症する子と発症しない子に分かれることもあり、発症には後天的な要素も大きく関係するようです。

 幻覚や妄想の存在が診断に重要ですが、子どもの場合、はっきり診断できないことも多く、その場合は統合失調症に準じて慎重に経過を追う事が必要です。
 強迫行為(手を何度も洗わないと気持ち悪い、同じことを何度も確認しないと気が済まない、おまじないのような儀式をしないと気が済まないなど)や、カッとなりやすさなどが目立つ場合もあります。
 治療は、大人と同様に、この20年間で日本で発売された第二世代抗精神病薬による薬物療法などが中心となります。また、再発を繰り返さないように、病気の特徴を理解し環境を調整することも長い経過では必要になります。
 長期的な経過は、治療への取り組み方や、家族の協力により大きく改善します。
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「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。

こころのお知らせけいじばん「スマホ依存」

新型肺炎対策の休校が続き、子ども達のスマホ使用時間も長くなりがちです。
スマホは上手に使えば、家に居ても友達とつながれる便利な道具です。でも、スマホに生活を振り回されないように、大人がみてあげることも必要です。

日本では、半数以上の人がスマホを持つようになり、徐々に子どもも持つようになっています。これまでインターネット依存やゲーム依存が医療でも取り上げられてきましたが、スマホ依存はその両方の問題をあわせ持ちます。

各国で“スマホ依存スケール“が作成されています。これはスマホ依存の度合いを点数化して、重症度を簡易的に判定するチェックリストです。思春期用のチェックリストもあります。「スマホの使用により授業や宿題に集中できない」「スマホ無しでは我慢できない」「LINEやツイッターなどのメッセージのやり取りを見逃さないように、いつもスマホを確認している」など10項目の物です。ある調査によると、若者のおよそ4人に1人がスマホ依存を疑われる点数でした。依存は女性の方がわずかに多く、女性の主な使用目的はSNSでした。

スマホを使い過ぎると、時間を浪費して学業や仕事に差し支えるだけではありません。睡眠障害などの精神科的な問題、さらにスマホを持つ指の変形や痛み、眼の症状、頭痛や肩こりなど、身体に症状が出ることもあります。

対策はまだ研究中の分野ですが、まずは自分の使用状況を把握することが大切です。スマホの使用時間を測定できるアプリはいくつもあります。また、SNS上の相手に気をつかい過ぎる若者の場合は、スマホの設定でSNSの通知をオフにするのも有効だと言われています。そのことを周囲の友人にも伝えて、自分のペースで着信メッセージの確認を行うのです。
スマホ依存の対策は、まだまだ研究途上です。


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「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。

こころのお知らせけいじばん

「苦手な習い事の前には、お腹が痛いと言いだすことが多い・・」こういうことが子どもには多いものです。

「苦手な習い事」など対象がはっきりしている場合には家族にとっても対応しやすいです。でも、痛みや体調不良を繰り返し訴えるのに体の異常が見つからない・・・この場合は家族もうまくかかわることが難しいです。遊んだりしているときには調子が良さそうに見えるので「仮病?」など思ってしまいます。でも、子ども本人にとって痛みや体調不良は現実なので、まずは受け止めてあげることが大事です。

 子どもは言葉が未熟で、さまざまなストレスが体の症状として出ることも不思議ではありません。うれしい出来事も緊張やストレスになることがあります。新入園、運動会、発表会、お友達のこと、家庭の出来事・・・。

 子ども自身も改善しない症状への焦りや怒りを抱えていることも少なくありません。こういう子どもは感情をうまく外に表すことができるようになると楽になってきます。言葉だけでなく、遊びも立派な感情の表現です。子どもは遊びによってストレスを発散しています。さらに、気晴らしの効果をうまく取り入れ症状を忘れる時間を持てるとよいでしょう。「痛みがあるから〇〇できない」ではなく「痛みがあっても○○できる」という方向が目標です。

こころのお知らせけいじばん

まだまだ足りない児童精神科医・・・。
「不登校があり、発達障害が気になる。ネットで検索しても、相談できるクリニックがみつからない」「近所の児童精神科に問い合わせたら初診の予約は数か月待ちと言われた。ほかに、早く診てもらえるところはないのか?」など、うまくみつけられないことも多いと思います。まだまだ数が足りないことも一因です。これだけ教育、学校関係者のみならず一般の方も関心を寄せている分野なのに・・・。限られた数を、最大限うまく使って行きたいものです。こんな地図があります。

子どもの心の診療 機関マップ
http://www.ncchd.go.jp/kokoro/kyotenmap.php

また、横浜市にはこんな相談窓口もあります。

発達障害者支援センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/shogai/sodan/hatatsu/mado1.html

こころのおしらせ・番外編【熱中症にご注意】

今年の暑さは異常です。横浜地方気象台によると、季節予報でもこの先1か月間の激しい暑さが予想されるため、厳重な警戒が必要とのことです。そこで、熱中症についてまとめました。

■暑さへの抵抗力には個人差があり、次の人は要注意
・体力の低い人(高齢者、子供)
・暑さに慣れていない人(休みが続いた後の久しぶりのスポーツ教室、避暑地から戻った直後なども注意)
・熱中症をおこしたことのある人
・持久力の低い人
・肥満の人(学校管理下の熱中症死亡事故の7割。皮下脂肪により熱を体表から逃せず汗ばかりが多くなるため)

■「熱中症=脱水+高体温」なので、まずは日中の脱水予防として下記が大切
・朝食をしっかりとること
・夜はゆっくり睡眠をとること
・下痢や発熱があるなら無理に外出しない
・汗をかいたらスポーツドリンクや経口補水液などで塩分も補給する

■活動する際の注意点
・暑い時間帯の屋外に注意(路面のコンクリートは太陽光の輻射熱で気温より10度以上温度が上がるため、低い位置を歩く幼児やペットなどに熱を与え危険)
・暑い所に出たら涼しい部屋で補水しながらクールダウンすること
・室内でも湿度が高いと暑さ指数は高くなる
・スポーツにも配慮が必要、暑さ対策・普段より多い休憩が必要(野球は屋外での時間が長いので熱中症が多い、室内でも防具の多い運動は危険)

■体調に異変を感じたら
→熱中症では特別な症状が出るわけではなく「機嫌が悪い」「ぼんやりしている」など、一般的なサインしか見られないことが大半です。暑さの中、いつもと違う様子がみられたらさらに次の項目もチェックしてみて下さい。当てはまるようなら脱水症を疑います。

・口の中が乾いている
・爪を押した後、色が白色からピンク色に戻るのに3秒以上かかる(毛細血管再充満時間)
・皮膚の張りが無い(ツルゴールの低下)

■脱水症や熱中症なら
→スポーツドリンクを自力でしっかり飲むことができ、元気になってくるようなら様子を見ていても構いませんが、下記の場合はためらわず受診して下さい。
・自力で水分が飲めない
・意識がはっきりしない
・発熱している
※なお、明らかな意識障害や高熱の場合は救急搬送が必要です。
【参考資料】堀江正知 著「熱中症を防ごう」
谷口英喜 著「経口補水療法ハンドブック」
大塚製薬ホームページ「熱中症からカラダを守ろう」

こころのお知らせけいじばん

 「早寝早起きして朝食をとると良いことたくさん?」ヒトには体内時計があり、昼行性のリズムを持っています。夜更かしよりも早寝早起きの生活の方が太りにくい、免疫力も高くなる、血圧も安定する・・など様々な良いことが知られています。また、朝食をとると胃腸を通じて体全体の目が覚め、運動や知的な機能も高まります。逆に夜更かしや夜食の習慣があると、朝は食がすすみません。朝食をとるためにも早寝早起きが必要です。

 しかし現在、子供の就寝時刻が遅くずれ込むことが増えています。社会環境や、家庭の状況など要因は多くあります。少しでも子供がより良い睡眠時間を確保できるようにしたいものです。子供は親の生活習慣に影響を受けるので、親も早寝の生活が望ましいです。また、テレビやゲーム、とくにスマホ(ブルーライト)の光は夜に浴びると眠気を減らし、早寝につながりません。夜遅くまで使わないようにします。さらに夜間にテレビや照明をつけたまま寝るのは眠りが浅くなるので注意します(真っ暗が嫌いな場合は白熱灯の夜間灯などに切り替える)。蛍光灯や白色LEDは夜間に浴びると睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの分泌を妨げますが、白熱灯による照明はメラトニンの分泌を妨げないことがわかっています。