カテゴリ: 院長ブログ

<院長の子育て日記> それは病気なのか?

みなさん、病気を治すために病院に来るので、
病気かどうかを見分けることが医者の最初の仕事になります。

しかし、この「病気かどうか」というのは意外と難しいです。

明らかに普段と違う症状が起こっていればわかりやすい。
普段は出ない咳が出てるとか、熱が出たとか。

徐々に起こってくる症状は分かりにくいけど、進行すると分かりやすくなる。
小さなしこりができて最初は気にならなかったけどだんだん大きくなってきたとか。

検査で異常が出るものは分かりやすい。
血液検査でも、画像検査でも、異常が見えていれば分かりやすい。
検査では分からない病気は本当に難しい。
(検査で何でもわかると思っているお母さんたちもいるのですが、実は検査で分かることはそれほど多くないです。風邪の原因にしたって検査で分かるウイルスはほんの少しだけです。)

もとからある性質というのは病気かどうか分かりにくい。
体が小さいとか筋力が弱いとか。
こだわりが強いとか暴れん坊だとか。

昔は病気とみなされていなかったことが、今では病気と診断されることもある。
発達障害の中には、以前は病気とみなされていなかったタイプもあります。(今でも生活環境によっては問題にならないかもしれない。)
幼稚園で椅子におとなしく座っていられない子は病気なのか?
危険な遊びを好む子供は病気なのか?
臆病な子供は病気なのか?

病気って何でしょう?
正常って何でしょう?

<院長の子育て日記> 得意と不得意

先日、磯子区学校保健会総会で「優位感覚」についての講演を聞きました。
「優位感覚」というのは、「人それぞれ得意な感覚がある」ということです。「右利き」や「左利き」があるように、「聴覚が得意」「視覚が得意」など人それぞれ得意な感覚が違うそうです。

先日の講演では以下の4つの分類を教えていただきました。
1. 聴覚タイプ:音で理解したり、覚えたりしやすいタイプ。
2. 言語感覚タイプ:頭で考えて理論づけしたいタイプ。
3. 体感覚タイプ:実際に体を動かしたり、体験したいタイプ。
4. 視覚タイプ:目で見た情報で理解するのが得意なタイプ。
– 詳しくは、「NLP 優位感覚」で検索して調べてみてください。

チェックテストを行なったり各タイプの説明を聞いたりした結果、私自身は「聴覚」+「言語感覚」優位タイプかなと思いました。でも、同じテーブルの参加者の方の中には「完全に視覚タイプ!」という方もいらしたし、「どのタイプもまんべんなく、、かな?」という方もいました。

この分類が何の役に立つかというと、
– 自分の特性を活かした勉強の仕方を見つける。⇨私は聴覚タイプだから音で覚える方が効率が良いのかもしれない。そういえば最近オーディオブックを利用しているけど普通の本を読むより耳で聞く方がよく理解できているかも、、。
– 他人とのコミュニケーションに役立てる。⇨仕事仲間の〇〇さんは視覚優位タイプっぽいから、全体像がイメージしやすいように仕事の行程表を用意したほうが話がしやすいかも、、。
– 親子のコミュニケーションに役立てる。⇨息子は言語感覚優位っぽいから、理屈が納得できないと指示に従わないかも、、。娘は体感覚優位っぽいから、何度も繰り返して体でおぼえてもらおう!
など、、と応用できるわけです。

優位感覚のお話の中で印象的だったのは、「やり方を変えたらできるようになった」という実例のお話です。

例えば、スイミングスクールでクロールでの息継ぎがどうしてもできない子がいました。スイミングスクールのやり方はひたすら体で覚えさせるというやり方だったのですが、その子供は言語感覚優位タイプの子だったので、教え方を変えてみることにしました。まずは部屋の中で息継ぎするときのポイントを説明しました。「息継ぎするときには顔を45度ぐらい上げて、、足をかくスピードを上げて、、」等。説明をしっかりしてからいざプールに入ると、まもなく息継ぎができるようになったそうです。

何かできないことがあったとしても本当にできないわけではないのかもしれませんね。
出来ないのではなくて、やり方が合ってない。
やり方を変えればできるようになるのかもしれない。

他の人のやり方が自分にも合っているとは限らない。
自分についても、子どもについても、やり方を変えたら可能性はもっと広がるかもしれませんね。

<院長の子育て日記>メンタルは成長する。

「こどもの友達が意地悪な子なのでもう付き合ってほしくない。」ということを言っているママさんがいました。
確かに心配だろうなと思うのですが、同時に「そのお友達もずっと意地悪なままではない」とも思いました。
小さな子どもは体だけでなく、心もどんどん成長するものです。
こどもが意地悪だったり乱暴だったりしても教えてあげれば行動は変わってゆきますし、
臆病だったり弱虫だったりしても、いろいろな経験を積んでゆけば勇気のある大人になれるかもしれません。

子どものメンタルが弱いことにガッカリしたり失望したりするパパさんママさんがいます。
ですが、子どもは大人よりもメンタルが弱いものです。それが普通です。パパさんママさんも子どもの頃は今よりも気持ちが弱かったはずです。
もっと頑張りたいのに頑張れなかったり、嫌なことがあったら体調が悪くなってしまったり。
「自分が子どもの頃はもっと頑張っていた!」と言いたいかもしれませんが、子どもは自分と違う人間だし、置かれている環境も違います。簡単には比べられません。

それでも、大丈夫。子どものメンタルはきっと成長します。
そして、大人のメンタルも成長しています。
今はうまくいかないことがあっても、大人だって少しずつ成長しています!

<院長の子育て日記> 正しい情報の探し方

親子の信頼関係があれば、

失敗した時も、トラブルに巻き込まれた時も、子どもは親に相談してくれるかもしれません。

こどもが相談してくれれば親子で一緒に対策を考えることができるので一番安心です。

しかし、親には相談できない時もあるでしょう。

そういった時に、こどもが適切な対応をとれるか?

子どもには、正しい情報の探し方を教えておきたいものです。

普段から、いろいろな情報についてこどもと一緒に考えるようにすると良いと思います。

子供から何か質問があったとき、「一緒に調べてみよう」と言って、ママさんやパパさんならどのように調べるのかを実際に見せてあげると良いですね。

インターネットで何かを調べるとき、信頼できるサイトとそうでないサイトを大人はどうやって見分けているのか?

誰かに相談するとき、親はどんな人や機関を信頼しているのか?

子どもは答えづらい質問をしてくることもありますが、

「子どもの質問から逃げない」という姿勢を大事にしたいですね。

その場で答えられないことなら、「一緒に調べよう」でも良いし、「後で教えるね」でも良いです。

以前、うまく答えられなかったことや嘘をついてしまったことがあっても、

「ごめんね。あれは本当ではなかったんだ。今は本当のことが話せるよ」と言って

親子は何度でもやり直せます。

みつばち勉強会-どうする性教育(3)

「みつばち勉強会」はクリニックのスタッフとママさんパパさんが一緒に勉強する会です。

クリニックのスタッフが調べたことを皆さんと共有します。

今月のみつばち勉強会は、「性教育」をテーマにします。

いよいよ、明日開催です!

 

 

今回の勉強会に向けて、性教育についていろいろと調べていて思ったことがあります。

それは、親として何より大切なことは

「こどもとの信頼関係」だということ。

困ったことや悩み事を相談できる関係であれば、

失敗した時も、トラブルに巻き込まれた時も、親子で一緒に考えることができます。

そして信頼されるためには?

相手を認める、否定しない、逃げない。

成長に寄り添い、子どもの疑問に対して誠実に向きあう。

子どもの悩みや葛藤にも目を背けずに寄り添う。

親のそういった態度があれば自然と信頼関係ができて、性の問題についても親子で話ができるようになると思います。

もしも今、信頼関係ができていないとしても、

きっと親子関係はやり直せます。

「前に言ったことは違うんだ」とか「以前は答えられなかったけど今は話せるよ」とか

親子の対話はやり直すことができます。

日常的にこどもとの信頼関係を築いていきたいものです。

 

 

 

みつばち勉強会-どうする性教育(2)

「みつばち勉強会」はクリニックのスタッフとママさんパパさんが一緒に勉強する会です。
クリニックのスタッフが調べたことを皆さんと共有します。
来月のみつばち勉強会は、「性教育」をテーマにします。
「性教育」は最近話題になることが多くなりました。
小さい頃から正しい知識を学んで性犯罪の加害者にも被害者にもならないようにしよう、ということです。
しかし、私たち自身が「正しい性教育」を受けたことがないので、何を子どもに教えたらいいのか分からないというのが本当のところではないでしょうか?

 

私は、まず、

「自分の体は自分のもの。自分の体はとても大切。」ということを伝えたいと思います。

触られたり、見られたりして嫌な気持ちになったら「いやだ」と言っていいし、

相手が嫌がっているのに見たり触ったりしてはいけない。

 

パパさんがふざけて子どもにちょっかいを出した時も、子どもが「イヤだ!」と言ったらやめなければなりません。

自分がスキンシップだと思っていても、相手がイヤがっていたらやめなければいけない。

(そもそも、スキンシップの前に相手の気持ちを確認した方が良いですね。)

 

体の中でも特に見られたり触られたりすることに気をつけなければならない場所(プライベートゾーン)のことも小さいうちから教えてあげられると良いですね。

プライベートゾーン=口、胸、パンツで隠れるところ。

小さい子なら絵本を使って教えてあげるのが良いと思います。(興味のある方は「プライベートゾーン

絵本」で検索してみてください。)

 

6月のみつばち勉強会

https://www.kodomokampo.com/blog/wp-content/uploads/2023/05/みつばち勉強会ポスター2023年6月.pdf