こころのお知らせけいじばん「スマホ依存」

新型肺炎対策の休校が続き、子ども達のスマホ使用時間も長くなりがちです。
スマホは上手に使えば、家に居ても友達とつながれる便利な道具です。でも、スマホに生活を振り回されないように、大人がみてあげることも必要です。

日本では、半数以上の人がスマホを持つようになり、徐々に子どもも持つようになっています。これまでインターネット依存やゲーム依存が医療でも取り上げられてきましたが、スマホ依存はその両方の問題をあわせ持ちます。

各国で“スマホ依存スケール“が作成されています。これはスマホ依存の度合いを点数化して、重症度を簡易的に判定するチェックリストです。思春期用のチェックリストもあります。「スマホの使用により授業や宿題に集中できない」「スマホ無しでは我慢できない」「LINEやツイッターなどのメッセージのやり取りを見逃さないように、いつもスマホを確認している」など10項目の物です。ある調査によると、若者のおよそ4人に1人がスマホ依存を疑われる点数でした。依存は女性の方がわずかに多く、女性の主な使用目的はSNSでした。

スマホを使い過ぎると、時間を浪費して学業や仕事に差し支えるだけではありません。睡眠障害などの精神科的な問題、さらにスマホを持つ指の変形や痛み、眼の症状、頭痛や肩こりなど、身体に症状が出ることもあります。

対策はまだ研究中の分野ですが、まずは自分の使用状況を把握することが大切です。スマホの使用時間を測定できるアプリはいくつもあります。また、SNS上の相手に気をつかい過ぎる若者の場合は、スマホの設定でSNSの通知をオフにするのも有効だと言われています。そのことを周囲の友人にも伝えて、自分のペースで着信メッセージの確認を行うのです。
スマホ依存の対策は、まだまだ研究途上です。


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「こころのお知らせけいじばん」は
精神科専門医いわもとあきこさんによる連載です。

カテゴリ:「こころのお知らせけいじばん」

公開日:2020年3月12日